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6.何よりも絵師

2012年01月09日 22:00

ビジュアルノベルは、何よりも絵師。
僕は当時も今もそう思っている。

一に絵師、二に音楽、三にシステム、最後に文章だ。自分がもの書きであるが故の謙遜ではない。冷徹な事実だと思っている。
何故なら、絵は上手い下手が誰にでもわかるからだ。音楽は快不快が如実に出るからだ。

僕は、絵師を探すにあたって絶対譲れない条件を一つだけ自分に課していた。
自分の文章よりも相手の絵の方が上手い、という点だ。

自惚れを承知で言えば、僕は自分の書く話がそこまで下手だとは思っていなかった。少なくともストーリーは自分好みだった。だから、自作がビジュアルノベルになった時に低評価をつけられたら、これは絵で足を引っ張られたんだと勘違いしてしまいそうで怖かった。

そんな逃げ道を防ぐため僕には、絶対に自分の文章より上手だと確信できる絵師が必要だった。

というわけで、「絵仕事募集」というキーワードでgoogle検索する日々が始まった。

 * * * * * * *

改めて探してみると、自分の文章よりも上手な同人絵師さんは星の数ほどいることが、すぐわかった。Pixivに掲載されたイラストはどれも綺羅星みたいだった。
自分の文章より相手の絵の方が上手い、という条件は易々とクリアだった。
自分は自惚れて何を勘違いしていたのか、と僕は今でもこの時のことを思うと恥ずかしくなる。

なので僕は、具体的な判断基準を次の2つに変えた。
1.オリジナルを描いているか
2.キャラ以外の背景も描いているか

1の基準は、絵の技術を推測する材料にさせてもらった。二次作品を描く人の中には本当に上手な絵を描く人が多かったけれど、果たしてオリジナルキャラをお願いした時に同じレベルで実力を発揮できるのか、僕にはわからなかったからだ。

蛇足だけれど、アニメや東方に疎かった僕は、実はどのキャラが二次でどのキャラがオリジナルかわからなかった。なんて素敵なイラストなんだとPixivを見て感激して、次の人も同じキャラを描いていて初めてそれがオリジナルキャラでないと分かった――
こんな笑い話みたいな経験もした。

2の基準は、背景もキャラも両方同じ人にお願いするつもりだったからだ。ノベルエンジンのスクリプト作業に自信のなかった僕は、立ち絵での演出を極力避けて一枚絵を使う方式を取るつもりだった。
(実のところ、僕は今でも立ち絵を使ったことがないのでやり方がわからないままだ)

そして、僕は3人の絵師さんとメールでやり取りし、ささやかに悩み――
最終的にお願いしたのは伊砂さんという人だった。

伊砂さんは、全てがすごかった。
骨身を惜しまず献身的で、しかも作業が早く、気遣いが細やかで、何より伊砂さんは上手かった。
僕が今もビジュアルノベルに関われているのは、伊砂さんのおかげだと心から思う。

当時、伊砂さんは仕事を引き受ける条件として、ウェブサイト上に「音信不通にならないこと」と書いていた。このため僕は、とにかく連絡だけはとり続けた。

伊砂さんとはその後、ビジュアルノベル第一作のリリースまでの5か月間に、双方合わせて120通以上のメールをやりとりした。

 * * * * * * *

絵師も決まり、御影さんからも無事アップデート版のArtemis Engineの案内が来て、一安心した僕に残されたのは、スクリプトと向き合う作業だった。

これは予想通り、歯応え十分だった。
というか、全くスクリプトが分からなくて泣けた。

スクリプトに手が付けられないまま季節は夏に変わった。
僕は帰省するタイミングで御影さんに会うことにした。

2008年9月にブログを始めてから11か月、御影さんは僕がオフラインで会う初めての人になった。


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