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5.嘘をついた

2012年01月07日 11:24

御影さんの話をする前に改めて少し書いておきたいのは、それまで照会メールを出した3者の誰もがきちんと返事をしてくれたことだった。

これは、当たり前のことだろうか?

僕のリアルの世界での経験は、残念ながら逆のことも多かった。
知らない相手からの問い合わせ、しかもビジネスというより思いつきの熱意だけが先行する内容に対し、日をおかず丁寧な答えが返ってくる。これだけでささやかな感動だった。

このずいぶん後、ビジュアルノベルが完成した際に僕は反対の経験を何度もすることになった。
それでもなお、この「ささやかな感動」は僕の心の中で上書きされずに残っている。

 * * * * * * * 

さて、御影さんからの返事も他の3者と同様に丁寧なものだった。

Seleneで使われたArtemis Engineはまだまだ未成熟なため、問い合わせを受けた全ての方に漏れなくArtemis Engineを手配するのは作業上厳しい。
このため、作品の完成確度の高いサークルから順次提供している。


そんな趣旨の内容が書いてあったけれど、僕はもう怯まなかった。
これは結果論だけど、御影さんにメールする前にほかの3者に照会していたことがよかったのだろう。追い込まれていた僕は、もはや怯む余裕がなかったからだ。
どうやって御影さんに納得してもらおうか。それだけを考えていた。

御影さんのメールによれば、Artemis Engine自体の使用難度としては、NScripterや吉里吉里といったスクリプトベースのノベル/ADVエンジンと同程度らしかった――が、そう説明されても僕はNScripterや吉里吉里は使ったことがなかった。

さて、どうしたらいいだろうか。

ここで初めて告白するのだけれど、僕は小さな嘘をついた。

"吉里吉里2は、作品を作ったことはありませんが少し使ったことはありますので、個人的には「楽ではないものの対応可能」という印象です。"
僕は、そう返信することにした。もちろん、実際は吉里吉里2どころかどんなノベルエンジンを使ったこともなかった。

中途半端に腹が据わっていない僕は、メールに書く前に吉里吉里2をダウンロードして開いてみた。
触ったことぐらいはあるからこれは嘘じゃない、そう呟きながら文面をタイプした。

そしてもう一つ。御影さんによれば、サポートに当たっては詳細をオフラインで会って説明するケースが多いとのことだった。
これには、「今は遠隔地にいるので、夏に帰省した際にお礼を兼ねてお会いしたいです」と取りえず書いて、祈るような気持ちで長文メールの送信ボタンを押した。

今思えば、御影さんは僕の嘘など見抜いていたのかもしれない。
だが、何にせよ、Artemis Engineの提供を受けるサークルの末席に名を連ねることに成功した。

 * * * * * * *

Artemis Engineの来月のアップデート時に詳細な案内をする予定、との御影さんからの返信を貰った僕は小躍りした。
早速「NScripterオフィシャルガイド」と「ノベルゲームのシナリオ作成技法」という本を、Amazonで買った。

この2冊は、どちらも役に立った。

NScripterオフィシャルガイドの方は、もちろんArtemis Engineと何の関係もない。けれど初心者向けと銘打ったこの本で僕は、立ち絵、文字ウィンドウ、分岐、フラグなどなど、その手の用語の意味を知った。
ざっと眺めることで、ビジュアルノベルのスクリプト的な作り方のあたりをつけることが出来た。

ノベルゲームのシナリオ作成技法の方は僕にとって、より実際的だった。
全部の章が参考になる。いや全てのページが参考になる。そんな気さえした。筆者の涼元悠一さんがノベルゲームへ持つ愛情も伝わってきた。
この本は本当にお勧めだと思う。僕は何度も繰り返し読んだ。

こうして僕は御影さんからの詳細な案内を待ちながらも準備を進めるべく、もう一つの懸案に手を付けることにした。

それは絵師探しだ。


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